つらつらツービート

音楽は早くて短ければいいと思っている人が趣味嗜好をつらつらと書き連ねます。

Fastkill - Infernal Thrashing Holocaust

 

日本のスラッシュメタルバンド、Fastkillの1st albumです。GENOCIDE NIPPONの『THE RITES -魔導結界-』をリリースしたSATANIC LUST RECORDSからのリリース。

 

僕がこのバンドと出会ったのは三年ほど前。まだまだ初心者メタラー(今もですが)だったころに、「ひたすら速くて過激なスラッシュメタルバンドはいないかなあ」と思い描いていた時に、たまたまYouTubeで見た動画の中でFastkillの曲が流れていたのですがもうあまりのかっこよさに昇天しそうになりました。

 

ほぼ裏声といえるくらいにヒステリックなボーカルの金切り声。ザクザクを超えてズタズタに鉈で切り裂かれるようなリフ。そして超強烈なコーラスとスラッシュビート。あまりにかっこよすぎて出会った日にすぐにアルバムを購入しようとネットで検索をしたのを覚えています。

 

しかし彼らのアルバムは三枚すべてが廃盤。なかなか出会うことができず、在庫のないdiskunionの中古ページを見て悶々とした日々を送っていました。

 

そんな日が続いて数か月ほどたったころ、当時高2だった僕は英検準一級を受けに行った帰りに横浜のディスクユニオンに立ち寄りました。Fastkillと出会ってから何回もdiskunionに行ったものの一回も見かけることのなかった彼らのアルバム。その日もあまり期待せず、何か欲しいCDがあったら購入しよう程度の気持ちでした。

 

しかしJAPANESE METALコーナーのハ行を見ると、そこにはなんと『ファストキル』の文字が...! 目を疑いました。ついに見つけてしまったのです。お値段は3000円ほどしましたが迷わずレジに持っていきました。あの帰り道の高揚は今でも忘れないでしょう。ちなみにそこで運を使い切ったせいか、その時受けた英検はちゃんと落ちました。トホホ。

 

そんな思い出深いこのアルバムですが、1st albumにして名盤となっています。自分自身何度聞いたかわからないほどです。

 

呪文のような声とともに始まるインスト曲 #1 "Torture Inception" から、「キル! フォー! プレジャ!」というサビが頭から離れないバンド史上屈指の名曲である #2 "Kill For Pleasure" への流れで早くも悶絶しそうになります。その後も #3 『Sense Of Ignorance』~ #9 『Eternal Pain』までずっと疾走しっぱなし、刻みっぱなしという無茶苦茶加減(ほめてる)。

 

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このアルバムに緩急という文字はありません。昔、ブラジルのViolator(だったかな?)のCDレビューで「ちょっと速い、速い、すごく速い、しかないのにこんなにカッコいいのはすごい」みたいなレビューを見たことがありますが、このアルバムはそれでいえば「超速い」一択しかありません。緩急もミドル曲もなく、ただただ無慈悲に30分切り刻まれるだけです。

 

大阪で行われるスラッシュメタルの祭典、TRUE THRASH FESTの記念すべき初回、2009年にFastkillが出演した時の映像を置いておきます。この時の五人編成時代、ライブが凄まじい。。見れた人が本当にうらやましいです。

 

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なおFastkillは伊東昭博氏(Gt)が2013年に脱退、更には安藤直氏(Ba)が2014年に亡くなられたあとはスリーピース編成となり、近年は活動ペースを落としていましたが、今年行われたTTF 2023で待望の復活を果たしました!僕にとっては初Fastkillとなったライブでしたが、数年間のブランクなど全く感じさせない素晴らしいライブでした。その時の動画や写真がSNSにアップされていたので以下で紹介します。

 

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ライブの一曲目の『Agony』です。ここで紹介した1st albumに収録されています。なおこのライブ、セットリストのほとんどが1st albumからだったので最高でした。

 

望月次郎氏(Gt)が「我々のTTFって...こんなもんでしたっけ?元気が無い!」と煽ってから「元気がない奴は殺す。『Kill For Pleasure』!」と告げ名曲『Kill For Pleasure』を披露し、ライブ終盤にはギターを持ちながらダイブ!さらに 小森敏夫氏(Ba, Vo)なんかベースをステージにほっぽってダイブ!画面越しにずっと見ていて、いつか生で見たいと思っていたFastkillの姿がまさにそこにありました。かっこよかった...

 

↑この動画の 0:52辺りに一瞬、ダイブしている望月氏(Gt)が写っていますw

 

ここで紹介したFastkillの1st albumは今Rock stakkさんの方で在庫が復活しているようなので、ぜひ皆さん購入してくださいね!

 

rockstakk.shop-pro.jp

 

Hump Back『ACHATTER』

 



 

日本のスリーピースロックバンド、Hump Backが2021年にリリースした2nd full albumを紹介します。

 

フルアルバムとしては1st album『人間なのさ』(2019)以来となる二作目です。林萌々子(Vo&Gt)、ぴか(Ba,Cho)、美咲(Dr,Cho)の編成は変わらず盤石。『背景、少年よ』などのキラーチューンの数々を収録した前作は本当に素晴らしく、間違いなく僕も超絶気に入っている名盤でした。

 

そんな、バンドの名前を一気に全国に広げた前作から二年のブランクを開けてリリースされた2nd album『ACHATTER』。結論から言ってしまえば、前作を超える傑作になっています。

 

作風としては前作の良さはそのままに、更に骨太なサウンドに進化しています。「パンクロック」と呼んでいいくらい骨太になったギターサウンドに、少し歌い方が大人びた印象がある、林萌々子の伸び伸びとしたボーカルが乗ることにより前作よりもさらにパンク度が急上昇。

 

全14曲というバンド史上最大ボリュームのアルバムですが捨て曲(この表現はあんまり好きじゃないけど)なんてものは当然無いです。ほんとにすごい。一曲目の『宣誓』から最後の『きれいなもの』全くダレる事無くあっという間に43分が経ってしまいます。

 

個人的には特に、一分ほどのショートチューン#1『宣誓』から、#2『番狂わせ』#4『スリーピース』までの畳み掛けるようなロックチューン、#5『新しい朝』#6『あいまい』でスローテンポな曲が続いた後に#7『ヘイべビ』#11『HIRO』でアップテンポなロックチューンが続くところが好きです。今書いてみて気づいたけどこれアルバムほぼ全てですね。それほどこのアルバムが最高ってことです。

 

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『きれいなもの』のMVは、曲調も相まって何か時間がゆっくり流れている感じがしてとても好きです。どこか幼少期のころの気持ちとか記憶を想起させてくれるような感じがします。

 

岸田総理にはぜひこのアルバムを日本国民全員に配布していただきたいです。そうすれば日本中がACHATTERであふれて幸せになるんじゃないかな!!以上!!

 

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